FX用語辞典

政策金利とは

あおのり学校へのご来校、いつもありがとうございます。

あおのり先生です。

 

今回は、為替変動に最大レベルの影響を与える、

中央銀行の金融政策について学習していきましょう。

中央銀行とは、アメリカで言えばFRB(米連邦準備制度理事会)となり、

FRB(米連邦準備制度理事会)
(FRB(米連邦準備制度理事会)

日本で言えば日本銀行が該当します。

日本銀行
(日本銀行)

 

政策金利とは

中央銀行(日本の場合なら日銀、アメリカならFRB)が

市中銀行にお金を資し出す際の金利のことを言います。

市中銀行とは、みずほや三菱東京UFJや横浜銀行といった銀行のことです。

政策金利が下がれば、市中銀行の借り入れコストが下がり、

それで企業や家計もお金を借りやすくなりお金が回り、景気は回復しやすくなりますが、

政策金利が上昇すれば、市中銀行の借り入れコストが上がるため、

企業や家計もお金を借りにくくなりお金が回らず、景気は低迷しやすくなります。

 

景気が良いときに政策金利を引き上げる理由は、

インフレ(物価上昇)により庶民の生活を圧迫するのを防ぐために

政策金利を引き上げる必要があるのです。

一方で、景気が悪い時に政策金利を引き下げる理由は、

デフレ(物価下落)により失業者や会社の倒産の増加を防ぐために、

政策金利を引き下げる必要があります。

 

なぜ、FXをする際にこの政策金利に動向を知る必要があるのか?

景気が良い場合には政策金利は引き上げられ通貨は上昇し、

景気が悪い場合には政策金利は引き下げられ通貨は下落するからです。

このようなロジックを理解してFXをしていなければ、

ただ闇雲に日々のニュースの情報に翻弄されることになります。

 

たとえば、私たちFXユーザーからみても、

政策金利の引き上げはスワップポイントの上昇になるために、

政策金利の高い通貨を持つメリットが高まります。

そうなると、円で持っているよりも豪ドル円などの高いスワップ金利がつく通貨で持ちたい

という需要が高まることでその通貨の価値は上昇します。

 

それでは次に、

中央銀行が政策金利を上げるかどうか決める際に何を基準にしているのか

ということを解説していきます。

 

政策金利引き上げのための4条件

日本で言えば、政策金利を決めるメンバーは全部で9人おりますが、

この9人のメンバーが政策金利を引き上げるか否かの判断を、

月に1回決めて発表します。

政策金利は中央銀行がやみくもに決定するのではなく、

景気の動向により随時変更されます。

 

政策金利を引き上げる際、その中で最も重要視される指標が4つあります。

1.雇用統計・・・・・・・・労働者の就業状況を教えてくれる指標

2.小売売上高・・・・・・・モノの売れ行きを教えてくれる指標

3.住宅着工件数・・・・・・住宅の売れ行きを教えてくれる指標

4.消費者物価指数(CPI)・・モノの価値の変動を教えてくれる指標

この4つの指標が上昇に転じ景気が良くなってきたと判断されたら、

政策金利の引き上げが行われます。

 

つまり、

経済指標の変化で政策金利の動向も変化し、

その影響が為替レートの変動にも大きな影響を与えるのです。

 

最後に、現在の政策金利の先進国の最新動向をチェックして

政策金利を現状を把握してみましょう。

 

各国政策金利の現状

下の図は、2006年1月から現在までの政策金利を比較したグラフです。

日本、アメリカ、ユーロ圏、イギリス、オーストラリアの政策金利動向を比較しています。

2006年を見ると、日本のみゼロ金利政策を採用していますが、

それ以外の国では2%~6%と高い政策金利を示しております。

この傾向がアメリカの住宅バブルの影響で世界景気が拡大した2008年まで続き、

オーストラリアなどでは7.25%まで金利が上昇していることがわかります。

この時のオーストラリアドルの需要は、

スワップ金利が高かったので大変人気がありましたね。

 

しかし、2008年6月に日本のガリバーである野村證券を超える規模の

リーマン・ブラザーズ証券の倒産により、

景気が極度に低下し、各国は政策金利を大幅に下げ始めました。

その結果、2013年10月にはオーストラリアでも2.5%まで金利は低下し、

イギリス・欧州、アメリカでは日本と同様にほぼゼロ金利まで下げている状況です。

この結果、外貨を持つ魅力は低下しているというのが今の現状なのです。

 

2014年後半あたりからは、どこの国が政策金利をいち早く上げてくるかに

市場の関心が向かうと思われますし、そういった国の通貨の上昇は高まるでしょうから、

そのような金利動向を私たち投資家やトレーダーは注目していく必要があります。