こんばんは、あおのり先生です。
いつもあおのり学校ブログへご来校下さりありがとうございます。
今回は国の経済力を端的に表す“GDP”について解説していきます。
超長期的視点に立つと、
GDPの大きさに通貨の価値も比例する傾向がありますので、
その国の通貨の価値に影響を与えるGDPを理解していきましょう。
GDPとは
GDPとは“国内総生産”の略語となり、
1年間という期間の間に、
ある国の国内で生産された製品やサービスの付加価値の合計を意味します。
“付加価値”とは、企業が1年間に新たに付け加えた価値のことを言います。
製品やサービスを提供するにあたってかかるコストである、
部品代や電気代、輸送費などのコストを差し引いた最終製品・サービスに該当します。
そのため、家事やボランティアによる仕事は含まれません。
各国の名目GDP比較
下の表は、アメリカ、中国、日本、ドイツ、フランス、イギリス、
オーストラリア、トルコ、南アフリカの9カ国の名目GDPを
1990年から2014年にかけて比較した表となります。
1990年から現在までアメリカのGDPは世界で一番を維持しており、
世界のGDPの30%はアメリカが占めています。
90年のGDPはアメリカが約580兆円でしたが、
現在は約1560兆円となっており20年で3倍ほどGDPが拡大しています。
日本は2009年まではアメリカに続き2位に位置していましたが、
中国の資本主義導入による毎年10%を超えるGDPの増加により、
2010年以降さらに中国と日本の差は年々拡大している状況です。
日本は90年に約300兆円であったGDPが現在は600兆円と約2倍ながら、
中国は約40兆円から約800兆円と約20倍の成長をしています。
一方、イギリス、ドイツ、フランスは日本と同様に老大国化しており、
1990年からのGDP増加率は相対的に低位に位置しています。
それぞれ、90年代のGDPと比較すると日本よりは成長しているものの、
それぞれ2倍弱の増加に留まっています。
一方、
オーストラリアのGDP増加の猛追は凄まじく、
90年代と比較すると約5倍、
トルコ、南アフリカが約4倍と先進国を尻目に、
かつて後進国と言われていた国が躍進しています。
名目GDPと実質GDPの違い
名目GDPとは物価変動も加えている反面、
実質GDPは物価変動を除外したGDPを表しています。
もう少し具体的に違いを説明すると、
90年には1個100円で売ることができるいちごを、
3つ生産できたとすると、
名目GDPはこの時点で300円となります。
2013年には1個200円に値上がりしたいちごを、
5つ生産できるとすると、
名目GDPは1000円になります。
一方、
2013年の実質GDPは物価変動を除いたものを表すことになるために、
仮に1990年を物価価格の基準とした場合、
実質GDPは500円になります。
一般的には実質GDPが重視される傾向がありますが、
あおのり学校では物価の変動も加えている名目GDPの方が、
実体経済をより把握できるという判断から重視しています。