欧州ソブリン問題再熱でどう動く?
ヨーロッパのソブリン問題再燃!
ユーロが相対的に値を下げる中、
どのようなトレード戦略を組み立てていけるのか?
こんにちは、あおのり先生です。
先週のFOMC以降、相場の中の何かが緩やかに変化してきています。
大きな変化としては、ドル安懸念からユーロ安懸念に相場は緩やかに
舵をきってきていることです。
メルマガで何度か指摘しているように、ユーロの財政問題が
再び注目を集めてきています。
昨日はアイルランド10年国債利回りが9%以上まで上昇し、
アイルランドの財政を危ぶむ声が増えてきています。
ユーロ構成国の中でも最も信用力の高いドイツ国債利回りの3%と比べても、
利回り格差は6%ほどとなっており、かつてない広がりとなっています。
これは、アイルランド政府が資金調達する時に、
9%以上の金利を払わないと資金調達ができないことを意味しており、
アイルランド政府の信用が落ちてきていることは明らかです。
一方のドイツは国に信用力があるために、
3%程度で資金調達ができます。
アイルランドは経済的に回復する可能性は低いとみられており、
このような思惑から、国債の調達金利が引き上がっているのです。
アイルランドはユーロを構成する16カ国の内の1カ国となるため、
アイルランドの財政問題がユーロの信用を棄損し、
ひいてはユーロ安の原因となっています。
そういった動きから、先週までのユーロ買いの動きはストップし、
今度は逆、ユーロに買いが入りすぎた分、ユーロからの資金の還流が起っています。
先週まではアメリカの金融緩和観測によるドル不安が台頭していて、
その不安感からユーロに資金が過剰に流入していました。
しかし、米金融緩和の具体策もまとまり、ドルの売り材料が見つけづらい今の相場では、
行きすぎたユーロ買いに終止符が打たれ、今度はユーロ売りの動きに転換し始めているのです。
ユーロが買われていたにもかかわらず大きく値を下げていることは、
ユーロ/ドルのチャートを見ればよく分かります。
11月初旬を高値にして値を崩してきており、
下落トレンドが衰える兆しは今のところ見られません。
下降トレンドからの転換が見られるまでは、
引き続き”売り”の流れに追随していくトレード戦略が功を奏しそうです。
でも、ただユーロを売っていくだけのトレード戦略では、
大きな利益を確保することは難しいと言えます。
できるだけ多くの利益を狙っていくよう利食いをするタイミングを伸ばし、
含み益を拡大していく努力をしてこそ、大きな利益を出せると言えましょう。
利食いを辛抱して、利益が拡大してくるの辛抱強く待ち、
利益を刈り取るのが熟したと判断できるぎりぎりまでまってから、
利益を刈り取るのです。
しかし、FXに限らず相場の世界では、エントリー時よりも
利食いをするときの方が難しいものです。
実際、いいポイントで売っていたのに早く買い戻しすぎてしまって
大きな利益を取り損ねたということはよくあります。
逆に、欲を出しすぎてしまい、良い感じで流れに乗ったエントリーができたのに、
大口の注文が入り買値まで戻してしまい、
せっかくの含み益を逃してしまうこともよくあることです。
このように、利食いは難しいもので、含み益を抱えていても、
利食いをしなければ絵にかいた餅です。
だから、利食いを伸ばしながらも、一部だけでも利食いをしながら
トレードをしていくことが必要です。
『あのときに利食いしていれば(もっと儲けていたのに・・・)』
という後悔の気持ちを抱くこともなくなります。
“利食い千人力”という相場格言もあるように、
含み益に喜んでさらに利益を追うようなことはせずに、
ある程度の儲けを確定させていくことも賢明な投資スタイルです。
利益を伸ばしつつも、利食いも適度にいれた、バランス感覚を重視した
トレードで利を積み上げていきましょう。