リスクに対するリターンを計算していますか?
雇用統計後、ドル/円はじりじりと値を切り下げる展開に。
“戻り売り”を試みたい相場ですが、
リスクに対しどのくらいのリターンを狙えば良いのか?
こんばんは、あおのり先生です。
今回のメルマガは、まずドル/円の全体像を理解してもらうために、
11月のドル/円相場の振り返りから。
11月に入ると、FOMCで米金融緩和規模が明らかとなり、
相場の不透明感がなくなったことから上昇波動が続いています。
そのため、11月まではただ単純に買っていけば、
誰でも楽に勝てた相場でしたのです。
上昇しているわけですから、
あとはそのトレンドに沿ったトレードをしていれば
利益を伸ばしていけました。
しかし、雇用統計の悪化以降、
上昇トレンドから下降トレンドへと変化してきました。
逆風が吹く中で買いポジションを維持していても、
トレンドに逆らっている分、
利益を出すことは容易ではないと言えるでしょう。
そのため、
ストップロスオーダーを設定することなく相場に入っていれば、
大きな損失を出してしまうことは容易に想像できます。
だから、注文の時は必ずストップロスを設定することで、
リスクをあらかじめヘッジしておく必要があります。
ストップロスオーダーというのはご存じのとおり、
不利な状況になった時に損切りをするポイントのことです。
不利な状況とは、
下降トレンド下で相場が直近高値を超えて上昇してくれば、
下降トレンドを否定したことになるため、
不利なポイントと言えます。
こういった不利なポイントには、
予めストップロスを設定しておくことで、
自動的に損切りできる状態をつくっておきます。
不利な状況で即損切るからこそ、
大損を出す心配がなくなるんです。
ストップロスオーダーをどの辺に出すかを決めたら、
次にやらなければいけない事は
エントリーとストップロスオーダーの差であるリスク
を計算することです。
エントリー値 - ストップロスオーダー値 = リスク
そして、
このリスクに対してリターン(目標利益確定ポイント)までの距離が
最低でも2倍(2R)以上なければ、エントリーはしません。
リスクが1に対して最低でもリターンが2以上を狙えるポイントで、
はじめてエントリーしていきます。
そういうトレードをしていくことで、
損を小さく利を大きくした“損小利大”が実現できます。
やや分かりにくいと思いますので、
今度はドル/円チャートを用いて具体的に解説します。
現在のドル/円の価格は82.80円で、
利益想定ポイントを82.00円だとします。
ストップロスオーダーの設定ポイントは
直近高値のすぐ上の83.00円に設定すると、
20銭がリスクとなります。
つまり、リスクが1に対してリターンは4となり、
この場合なら売りを決断していくことができます。
なぜなら、リスクが1に対してリターンが4を狙えるため
損小利大を実現できるチャンス相場と判断できるからです。
これが、リスク1に対してリターンが10狙えるような相場なら、
シナリオ通りにいけば、大きな利益を出すことができますね。
仮に、リスク1に対してリターンを10狙っていくようなトレードの場合、
4回連続で負けたとしても、トータルでは勝ちです。
1回のトレードの損失額が2万円だとすると、
4回の負けでトータル8万円を失ったとしても、
1回の勝ちで20万円が手に入ります。
4勝1敗でもトータルでは12万円の勝ち越です。
逆に、リスクが1に対してリターンが1しかない
チャンスとは言えない局面ではエントリーを見送ります。
これでは、リスクに見合った期待利益しか生み出せないため、
損小利大はありえなくなるのです。
リスクが1に対してリターンが1しか狙えないような相場では、
様子見をするなどしてチャンスを伺い、
リスク1に対してリターンが2以上を狙える相場を見つけていく
タイミングを辛抱強く待つしかありません。
ただし、
リスクとリターンを考えてトレードができていたとしても、
エントリーするポイントが間違っていれば、
利益を出していくことなどできません。
私の場合ならトレンドラインやチャネルラインを駆使して絶妙なタイミングで
エントリーしているから利益を出せるのであり、
不適格なポイントなら損切りの連続となってしまいかねません。