チャート分析

恐怖の“茹で蛙”現象

あおのり学校へのご来校いつもありがとうございます。

あおのり先生です。

 

トレンドラインは、売買判断を持つための有力な武器です。

価格の方向性までも教えてくれるものです。

有効なラインの条件」でお伝えしたように、

時として、トレンドラインは何度もその効力を発揮してくれます。

 

その威力の凄さに、私たちは過度に酔いしれてはいけません。

マーケットには一度たりとも、絶対に勝てるということなんてなく、

常に負けるリスクに晒されながら、勝機を見出していくものです。

私たちは、茹でガエルのようになってはいけません。

茹で蛙

蛙を冷たい水の中に入れ、

ゆっくりと下からあたため温度を上げていくと、

カエルは冷水が徐々にぬるま湯となり心地良いので、

飛び出そうとはしません。

 

その心地良さにひたっていると、

次第に温度が上がっても逃げ出せず、

最後には“ゆでガエル(boiled frog)”になって

死んでしまうものです。

 

変温動物のカエルは、

温度の上昇とともに体温が上がっていき、

環境の変化に気づかぬまま、

とうとう最後に熱湯のなかでゆであがって死んでしまったわけです。

何回も続くトレンドラインで利益を上げ続け慢心して得意になっていると、

価格は急激な下落を描く場合があります。

 

正攻法でマーケットに挑む者もいれば、

その裏をかいてくる者も存在するのがマーケットの世界。

大口の資金を動かすヘッジファンドは、

そこで再びマーケット参加者がロングを取ることを予測して、

ロング勢を突き崩すためにより大きな枚数でショートを仕掛けてきます。

 

そうなると、

ロング勢がトレンドラインの下に設定していた

ストップロスオーダーにわざとヒットさせて、

売り崩すような行動をとってきます。

損切りをする際には、買っていたポジションを売り決済して、

損切りを確定する必要があるからです。

 

大口の売りに、ロングを作っていた多くのマーケット参加者の損切り決済、

つまり、売りオーダーが入ることによって、

短期間で大陰線を付けて下落しやすいのです。

大口の売りに加えて、

正攻法で攻めていた投資家の損切り(売り)も加わるためです。

 

実際に、図チャートを見ても、

有効なラインの終焉

ラインを下抜けてからローソク足大陰線を付けて、

下落していることがわかります。

 

トレンドラインが有効に機能すればするほど、

そこでは多くのロングが入っていますが、

一度トレンドラインを割り込めば、

大きな売り圧力が働く可能性が高まります。

 

私たちは、トレンドラインが有効に機能している時であればあるほど、

大きく下落することも予測しながらマーケットに対峙していく必要があります。

何度もトレンドラインが有効に機能していれば、

多くのマーケット参加者はその成功に酔いしれます。

 

大口で資金を動かす機関投資家は、

そこを突いて大きな資金サイズでショートを狙い、

価格を崩れさせることを狙ってきます。

慢心、油断をしているところを、突いてくるのです。

 

私たちには、機関投資家のように豊富な資金は用意できません。

彼らのようにタイミングを計って、マーケットを動かすことはできません。

トレンドラインが継続する期間が長ければ長いほど、

彼らは虚をついて、崩そうと狙ってくるのですから、

そういったことを予測しながらマーケットに対峙することで、

敵に“虚”を突かれないようにする必要があります。

「チャネルライン分析」に続く